冷凍エビの正しい解凍の仕方を紹介

冷凍状態で販売されている業務用の冷凍エビは、冷凍庫で長期間保管ができるところもメリットの一つ。
必要な分だけ解凍して使え、残った分は再冷凍も可能です。
ただ、解凍の仕方によっては、身が固くなったり変色する可能性があるため、注意しなくてはいけません。
風味を損なわずに美味しくいただくためにも、正しい解凍の仕方を理解しておきましょう。

そこでこの記事では、業務用冷凍エビの正しい解凍の仕方を、代表的な業務用の冷凍エビの種類と合わせて、わかりやすくご説明いたします。

代表的な業務用の冷凍エビ

業務用の冷凍エビは、サイズも種類も実にさまざま。

有頭、無頭、むきえびなど、形についてもいろいろな状態で販売されています。

まずは、代表的な業務用エビの種類やその特徴について見ていきましょう。

ブラックタイガーえび

ブラックタイガーえびは、高級えびの代表でもあるクルマエビの仲間で、全体的に黒くて縞模様があるえびのこと。

国内に出回っているのは、ほとんどが東南アジアなどで養殖されたものです。

天然物は「シータイガー」と呼ばれていますが、希少でありほとんど出回ってはいません。

色や味、食感に優れ、フライや炒め物、照り焼きなどの調理におすすめです。

フラワーえび

フラワーえびは、日本からインド洋にかけて広く分布している、天然えびのこと。

日本でも漁獲することができ、「アシアカ」と呼ばれています。

主に、インドやスリランカなどから輸入されていますが、国内で獲れるものもあります。

身が柔らかくて深い味わいがあることから、昔から煮つけに使われていました。

殻も柔らかく身質がしっかりしているため、フライやからあげ、煮物などの調理におすすめです。

ブラウンえび

ブラウンえびは、輸入冷凍えびの中では長い歴史がある、茶褐色で光沢がある高級天然えびのこと。

カリフォルニアからペルーにかけて分布しています。

大きな特徴は、濃厚な旨みやしっかりとした肉質、さらに、加熱後の発色の良さ。

キメの細かい肉質で寿司ネタとしても多く使われ、調理後の身の縮みも少ないため、天ぷらにもおすすめです。

エンデバーえび

エンデバーえびは、インドネシアやイリアン海域で獲れる海エビを使用したえびのことですが、残念ながら現在はほとんど入荷しておりません。

エンデバーブルー、または、ブルーテールと呼ばれるえびを原料に使用しています。

甘みが非常に強くて肉厚なため、食感が良いところが特徴。

豊かな風味で身の質も柔らかく、寿司ネタとして使用するのがおすすめです。

シータイガーえび

シータイガーえびは、ブラックタイガーえびの親にあたる、クルマエビ科の最大種のえびのこと。

その大きさから、頭の付いた状態では、体長30センチを超えるものもあります。

濃厚な味としっかりとした肉質で、食べごたえがあるところも特徴。

有頭えびは旨みも深く、塩焼きなどの調理におすすめです。

オーストタイガーえび

オーストタイガーえびは、オーストラリアのカーペンタリア湾などで獲れる天然えびのこと。

天然で、多くが頭の付いた状態で輸入されます。

有頭なので、旨みを逃がさないのはもちろん、加熱した時の赤い縞模様の発色の良さが特徴。

おせちの需要が多い年末に多く消費され、塩焼きや煮物の調理におすすめです。

バナメイえび

バナメイえびは、クルマエビの仲間で、黄色っぽい縞模様があるえびのこと。

値段が安いことからも、ブラックタイガーに続く輸入えびの種類として、店頭でも多く見られます。

大正えびのような甘みがあり、肉質が柔らかくぷりぷりした歯ごたえが特徴で、どのような調理とも相性が抜群。

むきえびで食べやすいため、サラダにもおすすめです。

業務用冷凍エビの解凍方法

ここでは、業務用冷凍エビの正しい解凍方法についてご紹介します。

残った分の再冷凍の方法もご説明しますので、しっかりと覚えておきましょう。

流水でざるなどに入れたえびのブロックを解凍(お湯は×)

冷凍エビは、ブロックのままざるなどに入れて、流水で解凍をしましょう。

お湯で解凍をすると、えびに火が通ってしまう場合があり、風味や食感が損なわれてしまいます。

お湯は使わず、水道水をかけながら解凍するのが基本です。

流水をあてる箇所を変えて全体を解凍

流水は、あてる箇所を変えながら、全体をまんべんなく解凍しましょう。

解凍時間の短縮にもつながり、長時間の解凍で鮮度が損なわれる心配もありません。

崩れてきたら一尾ずつばらす

冷凍エビのブロックが崩れてきたら、一尾ずつばらしていきましょう。

無理にばらそうとすると、身が崩れたり割れてしまう可能性があるため、流水をかけながらゆっくりとばらしていきます。

解凍後は軽く洗う

解凍が終わったら、えびを軽く洗いましょう。

えびは、泥の中に生息している物も多く、汚れが残っている可能性があります。

キレイに洗い流すことは、ニオイが抑えられるという効果もあります。

残った分は再冷凍可能

解凍した冷凍エビが残った場合には、再冷凍をしましょう。

殻付きのえびは冷凍に強いため、再冷凍をしても品質はそれほど落ちません。

ジプロックなどに入れて冷気に直接触れないようにした上で、冷凍保管をします。

また、完全に解凍をしないで、えびのブロックが崩れた時点で小分けにして再凍結をすれば、鮮度や風味が損なわれる心配もありません。

まとめ

業務用冷凍エビの解凍は、お湯ではなく流水を使って短時間で行うのが基本。

冷蔵庫での自然解凍は時間がかかり、解凍している間に黒く変色してしまうこともあるのですすめできません。

また、残った分は、冷気に直接触れないようにジプロックなどに入れて再冷凍をしましょう。

冷凍に強い殻付きの冷凍エビは、再冷凍をしても鮮度や味が損なわれる心配がありません。

業務用冷凍エビをいつでも美味しく食べるために、正しい解凍の仕方をしっかりと覚えておきましょう。