「どうしてエビはゆでると赤くなるの?」
そんな疑問を持つ人は多いと思います。
生きている状態では黒っぽかったり茶色っぽかったりするエビですが、どうしてゆでると赤に変化するのでしょうか?
その理由はエビが持つ「アスタキサンチン」という赤い色素にあります。実はエビの赤色は、健康や美容にさまざまな良い効果が期待できる栄養素なのです。
今回は「エビが赤い理由」と「エビが持つ優れた栄養素・アスタキサンチン」についてお伝えします。
エビが赤いのはなぜ?
エビが赤い理由はエビが食べる餌に赤い色素「アスタキサンチン」が含まれているからです。以下で「アスタキチン」について詳しく説明していきます。
赤い色素「アスタキサンチン」
前述の通り生きているエビの色は赤色ではありません。エビの殻に含まれる「アスタキチン」という赤い色素が、ゆでるとエビが赤色になる原因です。
アスタキサンチンは餌の影響
赤色の色素「アスタキサンチン」は、エビの体内で生成されているわけではありません。エビが食べる餌の中にアスタキチンが含まれています。
「アスタキチン」を生成できる藻類をプランクトンなどの甲殻類が食べ、それをエビが食べることでエビの体内に「アスタキチン」が摂取されるという仕組みです。
ゆでると赤くなるのはなぜ?
エビがゆでると赤くなる理由は、殻に含まれるクラスタシアニンというタンパク質と「アスタキサンチン」という赤い色素が加熱によって分解されるからです。
エビの餌由来の赤い色素「アスタキサンチン」の影響はエビが生きている状態では出ていませんが、ゆでることで隠れていた赤い色素が現れます。
焼きエビの場合も、分解された「アスタキサンチン」が空気中の酸素と結びつくことで鮮やかな赤色に染まります
エビの赤「アスタキサンチン」の効果は?
エビが持つ赤色「アスタキサンチン」は別名「海のカロテノイド」と呼ばれる天然色素。リコピンやルテインなどカロテノイドは自然界に600種類以上も存在します。
多くの種類があるカロテノイドの中でも「アスタキサンチン」は強力な抗酸化力を持つ色素として知られています。抗酸化力とはがんや生活習慣病の原因とされる活性酸素を除去する力のこと。
ビタミンEも抗酸化力が期待できる成分ですが、アスタキサンチンの抗酸化力はビタミンEの約1,000倍というから驚きです。
抗酸化力は人間の体に元々備わっている能力ですが、年齢と共に低下しさまざまな不調やトラブルを引き起こす要因になると言われています。
人間は抗酸化力を持つカロテノイドを体内で生成できないため、食べ物や化粧品から摂取しなければなりません。
そこで「アスタキサンチン」が持つ優れた抗酸化力が、化粧品やサプリメント・医薬品・栄養ドリンクに役立つ成分として注目されているのです。
免疫力強化
アスタキサンチンは活性酸素を除去する抗酸化作用があると言われています。活性酸素は免疫力が下がる原因になるので、優れた抗酸化力を持つアスタキサンチンを摂取することで免疫力アップにつながるでしょう。
動脈硬化の改善
人間の体内で酸化が過剰に進行すると動脈硬化やガンなどの病気を引き起こすことも。エビの赤「アスタキサンチン」は強い抗酸化力があるため、酸化が原因とされる動脈硬化などの疾患を防ぐと言われています。
糖尿病予防
エビの赤「アスタキチン」の抗酸化作用が膵臓や細胞を活性酸素から守ることで、糖尿病の予防や改善が期待できると言われています。
美肌効果
エビの赤「アスタキサンチン」は化粧品にも使われています。紫外線ダメージは過剰な酸化を引き起こしますが、アスタキチンの強力な抗酸化力が紫外線による日焼け・シミ・ソバカス・肌荒れを抑制すると言われているのです。
アスタキサンチンには肌のターンオーバーを促進する働きも期待できるため、ニキビの予防や改善にもつながるでしょう。
疲労回復
長時間のパソコンやテレビ・読書による眼精疲労は、酷い時には目の奥の痛みや頭痛にまで発展します。眼精疲労は目の病気や自律神経失調症が原因の場合もありますが、毛様体筋の緊張状態によって引き起こされることもあります。エビの赤「アスタキチン」は毛様体金筋を弛ませる働きが期待できるため、眼精疲労の予防・軽減につながるでしょう。
老化防止
エビの赤「アスタキサンチン」は身体の老化も防ぐと言われています。エビの赤「アスタキサンチン」は強力な抗酸化作用があるため、悪玉とされるLDLコレステロールが酸化するのを防いでくれるからです。
まとめ
「エビが赤い理由」と「エビが持つ優れた栄養素アスタキサンチン」についてお伝えしました。
エビがゆでると赤くなる理由は、エビの餌の中に赤い色素・アスタキサンチンが含まれるからでした。
アスタキサンチンは強い抗酸化力があり、免疫力強化や動脈硬化の改善・糖尿病予防・美肌効果などさまざまな症状に効果があると言われています。
アスタキチンを含むエビを積極的に摂取し、健康と美を目指しましょう。