鯛と並んで縁起の良い食材とされる「有頭エビ」は、おせちやパーティーなど華やかな席に欠かせない存在です。
見た目が豪華なだけでなく、ボリューム満点で食べ応えがあるのも魅力。有頭エビ料理の写真をSNSなどにアップすれば「映える」のは間違いないでしょう。
今回は有頭のブラックタイガーやシータイガーのおすすめのレシピを紹介します。
有頭エビとは
「有頭エビ(ゆうとうえび)」とはエビの名前や種類ではなく、頭が付いたままのエビのこと。長いひげや腰が「長寿」の象徴とされており、御祝いやおせちなど特別な料理に重宝されています。
有頭エビの下ごしらえ
有頭エビを料理するにはまず背ワタを取らなければなりません。背ワタを取る方法は2種類あります。
- 竹串やつまようじで背ワタを取る方法
- はさみや包丁で背ワタを取る方法
以下でそれぞれについて詳しく解説します。
竹串やつまようじで取る方法
エビフライやエビのツヤ煮など、有頭エビの形を崩さずに料理する場合におすすめの方法です。
- 有頭エビの腰をぐっと曲げ、頭から2~3節目に竹串やつまようじを入れて背ワタを引き出す
- 竹串(つまようじ)と親指の腹で背ワタをつかみ、ゆっくり引き抜く
はさみや包丁で取る方法
パン粉焼きなど背中に香辛料などを詰めて焼く料理などにおすすめの方法です。
- エビの頭と体の境目にはさみや包丁を入れて、背中の殻を縦に腰のあたりまで切り込みを入れる
- つまようじなどで背ワタを引き出す
背ワタを取ったエビは端から殻をむきます。適量の塩をもみ込んで汚れを浮き立たせた後に、適量のかたくり粉をまぶして汚れを吸着させます。よく洗った後にキッチンペーパーなどでしっかり水気を取ってから料理しましょう。
料理によってひげや頭、尾などを切り落とすこともあります。たとえば揚げ物にする場合は、尾を短く切り落として水分をしごき出します。
有頭ブラックタイガーを使ったレシピ
有頭ブラックタイガーを使ったレシピをご紹介します。ブラックタイガーは肉厚でプリプリとした食感が特徴的で、コーラルシーでは天然エビに匹敵する美味しさのブラックタイガーを提供しています。
パエリア
パエリアとは米と具材をオリーブオイルで炒めてスープで炊き上げるスペイン料理。有頭エビの出汁が丸ごと入ったパエリアは絶品です。
<材料>
- 米 2合
- 有頭エビ 4尾
- はまぐりorあさり 砂抜きしたものを7~10個
- ベーコン 120g
- ミニトマト 10個
- 玉ねぎ 2分の1個
- ニンニクのみじん切り 1片
- 白ワイン 100ml
- (A)水とエビ・あさり(はまぐり)の煮汁 合わせて400ml
- (A)コンソメ 1個
- (A)塩・コショウ 少々
- パセリのみじん切り 少々
- レモンのくし形切り 4個
<作り方>
- 有頭エビの頭から2~3節目につまようじを入れて背ワタを取り、あさり(はまぐり)は砂抜きをして殻をこすり合わせてよく洗う
- ベーコンは1㎝角に切り、ミニトマトは半分に切り、玉ねぎはみじん切りにする
- エビとあさり(はまぐり)をオリーブオイル大さじ1でいため、白ワインを入れて蒸し煮にする。あさりの殻が開いたらザルに上げて身と煮汁に分ける
- 同じフライパンにオリーブオイル大さじ2を足し、ニンニクのみじん切りを入れて弱火で炒める
- ベーコンと玉ねぎを入れて炒め、玉ねぎがしんなりしたら米も加えて2分ほどしっかり炒める
- (A)を入れて煮立ったら、2のミニトマトをのせ、ふたをして弱火で13分ほど炊き、最後に1分強火にして火を止める
- エビとあさりをのせてフタをして10分蒸らす
- くし形切りのレモンを添えてパセリを散らす
海鮮鍋
有頭海老、たら、はまぐりなどを具材にした豪華な海鮮鍋です。海鮮と野菜の旨みがたっぷりで、深みのある味わいに仕上がります。
<材料>
- 有頭エビ 4尾
- たら 2切れ
- はまぐりorあさり 8個
- ほたて 8個
- 白菜4分の1個
- えのき 1袋
- 水 400㏄
- 昆布 20g
- (A)醤油 大さじ2分の1
- (A)塩 小さじ3分の1
- (A)みりん 大さじ1と2分の1
- (A)酒 大さじ2
<作り方>
- 有頭エビの頭から2~3節目につまようじを入れて背ワタを取る
- たらは軽く塩を振って5分置いて洗い流して水気を拭き、食べやすい大きさに切る
- はまぐり(あさり)は塩水(水300ccに塩小さじ1.5杯)に浸して、暗所に1〜2時間置いて砂抜きする。その後、殻同士をこすり合わせるようにしっかりと洗う
- えのきは食べやすい長さに切り、白菜はそぎ切りにする
- 昆布20gを水400㏄に入れて1時間置いた後、(A)の調味料を入れて火にかける。沸騰する直前に昆布を取り出す
- 煮立ったら海鮮以外の材料を入れてひと煮立ちさせる
- 魚介類を入れてふたをして、火が通ったら出来上がり
エビのビスク
ビスクとはクリームベースのなめらかなスープのこと。有頭エビと香味野菜、白ワインの香りが食欲をそそります。
<材料>
- 有頭エビ 6尾
- セロリ 30g
- 玉ねぎ 2分の1個
- にんじん 2分の1本
- 白ワイン 80ml
- 水 600㏄
- カットトマト缶 200g
- ニンニク 3片
<作り方>
- セロリ30gを薄くスライスする
- 玉ねぎ2分の1個も薄くスライスする
- にんじん2分の1本をみじん切りにする
- 有頭エビの背中を丸めてつまようじで背ワタを取る
- 塩→片栗粉をまぶして軽くもんで、汚れを流水で洗ってキッチンペーパーで水気を取る
- オリーブオイル大さじ1をフライパンに入れて、中火でエビを片面2分ずつ焼く
- カットした野菜を加えてしんなりするまで炒める
- 白ワイン80mlを加え、アルコールを飛ばす
- 水600mlとカットトマト缶200gを入れる
- にんにく3片とローリエを入れて、沸騰させてアクを取り除く
- フタをして弱火で10分ほど煮る
- 少しフタをずらして弱火で30分煮る
- 水分量が半分程度になったら、粗熱を取る
- ローリエは取り除いてミキサーにかける
- ミキサーが終わったら漉す
- 鍋に移して火にかけ、塩コショウで味を調える
- お皿に盛り付け、あればパセリなどの乾燥ハーブを散らす
漉し器は目の細かいものを使って丁寧に漉すのがポイントです。
エビのつや煮
おせち料理に欠かせないエビのつや煮のレシピです。有頭エビを腰が曲がった状態にしてつまようじで固定します。有頭エビの長いひげや曲がった腰が不老長寿の象徴とされています。
<材料>
- 有頭エビ 8尾
- (A)酒 100ml
- (A)みりん 50ml
- (A)はちみつ 30g
- 醤油 大さじ2
<作り方>
- 有頭エビは殻付きのまま頭から2~3串目につまようじを入れて背ワタを取り出す
- 頭の付け根と尻尾の付け根につまようじを刺して、エビを曲がった状態にする
- 鍋にAを入れてとろみがつくまで火にかける
- 醤油とエビを入れて、中火で4分ほど煮る
エビのひげが長い場合はカットしましょう。
エビの黄金焼き
エビの赤に卵の黄金色が華やかで、おせち料理におすすめのレシピです。
<材料>
- 有頭エビ 10尾
- 酒 適量
- 塩 適量
- 卵黄 2個
<作り方>
- 有頭エビは足を除き、背を長めに深く切り開く。
- 背ワタを取り、酒と塩を振りかけて5分ほど置く
- つぶした卵黄に塩少々を混ぜ、水気を拭いたエビの背に塗る
- 弱火のオーブントースターで焼く
- 3の残りを塗ってさらに焼く
卵黄を乾かすイメージで焼き、焦げないように注意しましょう。
ブイヤベース
ブイヤベースとはフランスの地中海沿岸地で作られるスープ料理のこと。有頭エビを殻のまま煮出すことで、絶品のスープに仕上がります。おもてなし料理におすすめです。
<材料>
- 有頭エビ 10尾
- アサリ 8~10個
- (A)セロリ 1本
- (A)にんじん 1本
- (A)玉ねぎ 1個
- ニンニク 2片
- 白ワイン 2カップ
- (B)タラなど魚のアラ 1パック
- (B)ホールトマト缶 2缶
- (B)水 3カップ
- (B)コンソメ 3個
- (B)セロリの葉
- (B)ブーケガルニ 1袋
- (B)ローリエ 適量
- オリーブオイル 3分の1カップ
- 塩コショウ 適量
<作り方>
- ニンニク2片はみじん切りにし、Aの材料もみじん切りにする
- 魚のアラはキレイに洗って小さく切り、エビは頭を残して皮をむき背ワタを取る。アサリは塩水(水300ccに塩小さじ1.5杯)に浸して、暗所に1〜2時間置いて砂抜きする。その後、殻同士をこすり合わせるようにしっかりと洗う。
- 鍋にオリーブオイルを適量入れて、エビを両面焼いていったん取り出す。
- 同じ鍋にオリーブオイル3分の1カップを入れて1のニンニクを炒める。香りが出たらAの材料を全部入れて中弱火で15分ほど薄茶色になるまでじっくり炒める
- 白ワインを入れて煮立たせ、Bの材料を全部入れる。ホールトマトは手でつぶしてから加える
- 砂抜きしたアサリ、エビを加える
- 30分ほど弱火で煮る。アクはこまめに取り除く
- ザルで煮汁を漉し、アラと香味野菜を除いて鍋に戻す。香味野菜はしっかり絞るのがポイント。(アラも野菜も食べたいならこの工程は省く)
- 火を止めて塩コショウで味を調えて出来上がり
残ったスープにご飯を加えれば、あっという間に本格的なシーフードリゾットが出来ます。魚のアラは深い出汁が出て美味しいのですが、煮込むと小骨が散乱するので、小さいお子さんがいる場合は切り身で代用しましょう。
有頭シータイガーを使ったレシピ
シータイガーとはブラックタイガーの天然もので、サイズが大きいのが特徴です。ブラックタイガーが平均14~15㎝であるのに対し、シータイガーは平均28~34㎝もあります。大きいサイズですが大味ではなく、甘みの強い美味しいエビです。
ジャンボエビフライ
最もおすすめの調理法はエビフライです。シータイガーを使えば家庭でも洋食店に負けないビッグサイズのエビフライを作れますよ。頭から尻尾まで美味しく食べられるエビフライです。
<材料>
- 有頭エビ 6尾
- 塩コショウ 少々
- 小麦粉 大さじ3
- 溶き卵 1個分
- パン粉 2カップ
- サラダ油 適量
- キャベツ(千切り) 8分の1個分
- ウスターソース、タルタルソース 適量
<作り方>
- 有頭エビは頭の先とひげを切りそろえ、頭と尾を残して殻をむく。背ワタを取って腹側に2~3箇所切り込みを入れる
- 尻尾から竹串を刺し、エビをまっすぐに整える
- 小麦粉→溶き卵→パン粉の順に付けてササラダ油で揚げる
- キッチンぺーパーで優しくエビを押さえながら竹串を抜く
- ウスターソースやタルタルソースをかける
エビが冷めてしまうと竹串が抜きにくくなるので、温かいうちに抜きましょう。
香草焼き
有頭海老の旨みに、カリッとした香草のパン粉と粉チーズが抜群の相性です。おしゃれな料理なのでパーティー向きです。
<材料>
- 有頭エビ 2尾
- (A)料理酒 大さじ1
- (A)塩 小さじ4分の1
- (B)パン粉 大さじ1
- (B)粉チーズ 大さじ2分の1
- (B)パセリ 2g
- (B)オリーブオイル 大さじ2分の1
- (B)ニンニクのみじん切り 1片
- レモン 1個
<作り方>
- パセリ2gとニンニク1片はみじん切りにする
- 有頭エビは殻付きのまま背中に切り込みを入れ、背ワタを取り除く
- 竹串を腹側に尾から頭に向けて刺す
- バットに3とAを入れてなじませ、ラップをかけて10分置く
- ボウルに1とBの材料を入れて、よく混ぜる
- 4の水気をキッチンペーパーで取り、形を整えた後に切り込みに5を入れる
- エビに火が通るまでオーブントースター(1000W 220℃)で10分焼く(竹串が発火する可能性があるので目を離さないようにしましょう。焼き色が付き過ぎる場合は途中でアルミホイルを被せてください)
- 器に盛り付けてレモンを添える
バーベキュー
バーベキューはお肉だけでなく海鮮もあると豪華に楽しめます。有頭エビを塩で炭火焼にすると、エビ本来の旨みを思う存分味わえますよ。
<材料>
- 有頭エビ 適量
- 塩 適量
- レモン 適量
<作り方>
- 有頭エビを丸めて頭から2~3節目につまようじを刺して背ワタを取る
- 片栗粉→塩を多めにまぶして少し置いて、水洗いしてキッチンペーパーで水気を取る
- エビを竹串に刺して、塩を振って炭火で焼く
- 頭だけもう少し加熱する
- レモンをかけていただく
有頭エビは身の部分と比べて頭の方が火の通りが遅くなります。そのため全体的に加熱した後に頭部だけもう少し加熱することで、ミソの部分も香ばしく食べられます。
まとめ
有頭エビを使った料理は身だけでなく殻から出る旨みも味わえるので、エビを丸ごと余すところなく楽しめます。
下処理は基本的に以下の3工程だけなので、初心者でも大丈夫です。
- 背ワタを取る(節につまようじをひっかけて取る方法と包丁やはさみで背中を切る方法がある)
- 端から殻をむく
- 塩→片栗粉をもみ込んで汚れが出てきたら洗い流して水気を取る
コーラルシーでは有頭エビの養殖・冷凍販売をおこなっています。清潔で広い養殖地で時間をかけて育てたエビを活〆処理し、水揚げ時の鮮度を保っています。
ブラックタイガーもシータイガーも扱っているので、自宅でお店のような豪華な海老料理を味わいたい方はぜひ試してみてくださいね。