「ブラックタイガー」とは、東南アジアなどの海外で養殖されたエビのこと。
全体的に黒くて縞模様があり、主に海外から輸入されます。
ブラックタイガーと同じ種類のエビでも、天然物は「シータイガー」と呼ばれ、腹側を中心に赤くてきれいな色をしているのが特徴。
多くが、ブラックタイガーよりも大きい状態で輸入されています。
養殖物のブラックタイガーと天然物のシータイガーは、大きさや味などに違いがあるため、料理や目的によって使い分けるのもよいでしょう。
そこでこの記事では、ブラックタイガー(養殖)とシータイガー(天然)の違いを、天然エビの種類と合わせて詳しくご説明します。
ブラックタイガーとは?
「ブラックタイガー」とは、東南アジアなどで養殖されたエビのこと。
有名な産地は東南アジアで、日本での呼び名は「ウシエビ」と言います。
ブラックタイガーは、日本国内にも生息していますが、国内で漁獲される量はごくわずかであり、市場に流通することはほとんどありません。
ベトナムやインド、タイ、インドネシアなどで大量に生産され、冷凍で輸入されるケースがほとんどです。
また、スリランカなどの一部の生産者は、水揚げ時に活〆処理をし、鮮度を保持した状態で凍結して輸入しています。
ブラックタイガーは、全体的に黒くて縞模様があるのが特徴。
味や食感が優れているのはもちろん、加熱するとキレイな赤色になり、見た目がよいことでも人気があります。
天然エビの種類は?
一言で天然エビと言っても、実に多くの種類があります。
最初に、天然エビの種類別の、それぞれの特徴を見ていきましょう。
シータイガー
「シータイガー」は、ブラックタイガーと同じ種類で、海で自然に育った天然物のエビのこと。
養殖物であるブラックタイガーとは違い、腹側をメインに赤くキレイな色をしているのが特徴です。
ブラックタイガーよりも大きい状態で漁獲されることが多く、大型のものは頭の付いた状態で輸入されます。
オーストラリアタイガー
「オーストラリアタイガー」は、オーストラリアのカーペンタリア湾などで獲れる天然エビのこと。
多くが頭の付いた状態で輸入され、赤い縞模様で加熱すると鮮やかなオレンジ色になるのが特徴です。
発色が良く見た目にも優れているため、おせち料理の需要が多い年末になると消費量が増加します。
フラワーエビ
「フラワーエビ」は、日本近海からインド洋、地中海東部まで幅広く分布している天然エビのこと。
身体の赤い縞模様が花のように見えることから、「フラワーエビ」と名前が付けられました。
身質が柔らかく、甘味があるのが特徴で、インドネシアの東、西イリアン海域で漁獲された物は「イリアンタイガー」と呼ばれています。
西日本からインド洋にかけて漁獲される、アシアカエビなどとも呼ばれる「クマエビ(学名Penaeus semisulcatus)」は、クルマエビ科のエビであり、国内ではクルマエビに次ぐ高級海老とされておりますが、このエビもフラワーエビの仲間です。
ホワイトエビ
「ホワイトエビ」は、ミャンマーやインドネシア、スリランカなどの東南アジアで獲れる天然エビのこと。
名前の通り白っぽい色をしたエビで、ブラックタイガーと比較すると身が薄いのが特徴です。
値段が高いのですが、身の柔らかさや甘味は、値段に見合うだけの価値があります。
アマエビ
「アマエビ」は、北海道が全体の水揚げの約7割を占める、主に日本海沿岸で獲れる天然エビのこと。
「ホッコクアカエビ」が正式な名前で、生で食べると甘味があるのが特徴です。
透明感がある鮮やかな赤色で、スリムな形をしています。
アルゼンチンアカエビ
「アルゼンチンアカエビ」は、その名の通り、アルゼンチンに生息している天然エビのこと。
全体的にオレンジ色に近い赤色で、殻は柔らかくて薄く透明感があるのが特徴です。
加熱すると甘味が増し、殻ごと料理をすると濃厚なだしが出ます。
ブラックタイガー(養殖)とシータイガー(天然)の違い
同じエビの種類でも、養殖物のブラックタイガーと、天然物のシータイガーとでは、大きさや味、さらに値段も異なります。
ここでは、おすすめの料理と合わせて、それぞれの違いを詳しく解説いたします。
大きさ
広い海で育つ天然物のシータイガーは、大きくなってから漁獲されるのがほとんど。
サイズが大きいほど価値が高く、大型の物の多くは頭の付いた状態で輸入されています。
シータイガーは、ブラックタイガーよりも大きい状態で目にすることが多いでしょう。
特大サイズのそれぞれの長さと重さは、以下を参考にしてください。
ブラックタイガー | シータイガー | |
有頭一尾の長さ | 20~23㎝ | 27~28㎝ |
有頭一尾の重さ | 120~130g | 150~179g |
味
ブラックタイガーは、程よい弾力と甘味があり、プリプリとした食感が特徴。
シータイガーは、サイズが大きいことからも食べ応えがあり、肉厚で濃厚な美味しさがあります。
ブラックタイガー | シータイガー |
・程よい弾力・プリプリとした食感 | ・肉厚で食べ応え充分・濃厚な味わい |
値段
ブラックタイガーは、1㎏あたり3,000~4,000円程度。
比較的に手ごろな値段で購入できます。
シータイガーは、1㎏あたり10,000円近くする高級なエビ。
30㎝以上もある超特大サイズは、1尾で2,000円を超える物もあるでしょう。
ブラックタイガー | シータイガー | |
1㎏あたり | 3,000~4,000円 | 10,000円前後 |
おすすめの料理
身が引き締まってプリプリとした食感のブラックタイガーは、炒め物や揚げ物など、幅広い料理におすすめ。
値段がリーズナブルなこともあり、手軽に使えるところも魅力です。
サイズが大きくてインパクトもあるシータイガーは、加熱すると風味が豊かになり、鉄板焼きやバーベキュー、エビフライなど、見た目の豪華さも味わえる料理がおすすめ。
エビの頭の部分には味噌があり、濃厚なだしが出るため、鍋物やスープにすると美味しく仕上がります。
ブラックタイガー | シータイガー | |
おすすめの料理 | エビフライ・照り焼き・エビチリ・塩焼き・エビマヨなど | 鬼殻焼き・バーベキュー・エビフライ・塩焼き・ブイヤベースなど |
まとめ
ブラックタイガーは、ベトナムやインド、タイなどの東南アジアで養殖されたエビのこと。
同じエビの種類でも、天然物はシータイガーと呼ばれています。
ブラックタイガーとシータイガーはそれぞれ、大きさや味、値段に違いがあり、目的や料理によって使い分けるのがおすすめ。
エビを使った料理で、華やかで楽しい食卓を演出しましょう。